「No!」が言えない私

私には姉がいる。

子供のころから、姉に「あれして」「これして」と言われてきた。
なんの疑問も持たず従った私。

PezibearによるPixabayからの画像 

逆らわない、自己主張しない子供になった。
どうしてもイヤな時は、何も言わず逃亡したそうだ(笑)

 

「No!」が言えない子供。

このままだとまずい!
大学入学を機に姉と離れた。

自分で考え、自分で決める!と意気込んだが、
あまり変わってなかったらしい。

 

私には癖がある。

新しい友と知り合う時、相手を尊重しすぎるのだ。
相手が何を言うか、何を望むか、何を喜ぶか!を「観察」するため
大半を受け入れるのだ。

政徳 吉田によるPixabayからの画像 

 

そのせいで「優しそう」と言われるが、トラブルもあった。

  • イヤな相手になめられる
  • つけ上がった相手に振りまわされる
  • 心が弱ってる人に依存される

 

私は本当は優しくない。
自分が優しくしたい時に優しくするだけで、
優しくしたくない時は塩対応だ。
条件付きの優しさって本物じゃないだろう。

本当の自分でありたい!
素直に「No!」と言えるようになりたい‼️
そう願ってた。

 

きっかけは「悪魔」

変わるきっかけは東日本大震災、3月11日だった。

勤務地の渋谷から新橋までバスで帰ろうと、待つこと2時間弱。
ようやく乗れたバスは出発地の渋谷で満員となった。

OpenClipart-VectorsによるPixabayからの画像 

 

途中の停留所で降りる人はなく、誰も乗れず、終点まで誰も動かなかった。

道路は大渋滞。
普通15分だが、この日は2時間かかったのだ。

それでも車内は静かで、誰しも整然としていた。

私は立っていた。
後から思えば、手すりを掴みやすい良い場所にいたようだ。

 

どこの地点か忘れたが、突然押された。

何?と思ったら、右にいたベージュのコート着た上品な、若い女性が体ごと押してるのだ。

誰か動いた?と見たが、周りは静止してる。

訳がわからず固まっていたら、次に私の目の前の手すりを彼女が掴んできた。
視界に彼女の左腕が広がる。

手すりを掴んで、さらに私を押そうとしてる‼️

 

やっとわかった。
彼女は私の立ち位置を奪いたいのだ。
言葉でお願いするのでなく、暴力的な行動で。

 

あ、ぜ〜ん〜‼️

地震の映像よりおどろいた。

今まさに生死をかけて戦ってる人がいる。
命をかけて救助してる人がいる。

そんな時に、この女はなんて行動してるんだ❗️
悪魔か‼️

Ed ZilchによるPixabayからの画像

 

彼女の指に結婚指輪があった。
こんな女を選ぶ男がいるのだ。
こんな女を母親とする子供がいるかもしれない。
最悪だ〜
と余計なことまで考える。

 

怒りでが顔が火照った。
よし、一歩も譲らない!と決めて、微動だにしなかった。

 

しばらくして乾いた声で言った。
「押したって動きませんよ、一杯なんだから」
怖いから彼女の方は見ず、正面を向いてだけど^_^;

 

静かな車内に声が響いた。
私の正面で後ろを向いてた人が振り返り、多分彼女に睨まれたのだろう、慌てて顔を背けた。

 

何分待ったのだろう。

気がついたら彼女はいなくなってた。

負けなかった。
それより、
みんなの前で「No!」と言えたのがうれしかった❗️

あの数分間は一生忘れない。

 

「No!」の先にあるもの

震災からしばらくしてリタイアした。
しがらみも果たすべき役割も無くなったな〜

何かふっきれたのだろう。
かる〜く「No!」を言えるようになった。

  • 耳タコの話を繰り返す姉にNo!
    もー何度も聞いてるよ!
    もう勘弁して!
  • 自分の意見が通らないと切れるメンバーにNo!
  • 昔の仲間にしがみ付く人にNo!

 

No!の理由も言ってるが、まだ充分じゃない。
言い方を改善しなきゃね〜

私の言い方は、申し訳ないくらい冷たいのだ。
もっと相手に寄り添って、ソフトに言いたいな〜
次の目標だ♪

 

50代ってもっと大人だと思ってた。
それが恥ずかしいくらい未熟^_^;

ま、歩みが遅くても止まらなきゃ大丈夫かな。
一歩一歩成長していこう。

Gerd AltmannによるPixabayからの画像