⑶ 金融の仕組みを作ったユダヤ人

 

18世紀のヨーロッパ、ユダヤ人は迫害されていた。
唯一許された職業は卑しいと嫌われた「金融業」だ。

フランクフルトのユダヤ人、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは
両替商から、王国と結びついた金融業者「宮廷ユダヤ人」に出世した。

著名なロスチャイルド一族だ。

  ロスチャイルド家紋章
Mathieu CHAINE [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

 

その嫌われた「宮廷ユダヤ人」達が
現在も続く金融の仕組みを作ったのだ。

 

主なもの

  1. 利子を取る
  2. 国債(国の借金)
  3. 情報ネットワークの威力
  4. 為替(現金を送る代わりに手形・証書で受け渡しをすませる方法)
  5.  民衆の投資

 

1. 利子を取る

キリスト教は利子を取ることを許してなかった。
ユダヤ教も同じだが、異教徒から取るのは許されていた。

そこでキリスト教やイスラム教信者から利子を取ったのだ。

もともと物々交換の手段だったお金

100を100と等価交換するなら、あるがままでよかった。

だが100を利子3%で借りるなら、103に増やして返さなくてはいけない。
それでやっとイーブン。
自分の利益が欲しいなら、もっと増やす努力がいる。

 

お金はお金を増やす道具になったのだ。

うまくいった人は商売が成長し、勝ち組になる。
反対は負け組だ。

 

『利子』が変えたものは大きい!

 お金の概念が変わり
 商売やビジネスが成長をめざし
 結果として経済格差が生じた。

 現在も格差は広がっている。

 

2.  国債(国の借金)

ヨーロッパの王国は戦争が好きだった。
狭い土地に多くの王国!
領土争い、宗教戦争、革命…

 フランス革命
WikiImagesによるPixabayからの画像 

 

軍資金不足に悩む王に宮廷ユダヤ人がささやいた。
「お金を用立てします」

国王は借金証書を書き、これが現在の国債となった。

返済金(税金)を直接、民衆から取り立てたユダヤ人もいたそうだ。
王はますます戦争にのめり込み
過酷な取り立てにユダヤ人はますます嫌われた~>_<

 

3.情報ネットワークの威力 

マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドには5人の息子がいた。

5人はフランクフルト、ロンドン、パリ、ウィーン、ナポリと別れて住んだ。
離れても家族の絆は強く、いわゆる情報ネットワークが構築された。
手段は伝書鳩、高速船、早馬等~

 

恩恵は金儲けだ。

  • 金価格を知り安いところで買い、高いところで売る
  • イギリス大陸封鎖時の密輸実行
  • 3男ネイサンはナポレオン敗戦をいち早く知り、逆売りで破産を逃れ大儲けした…

ネイサン・ロスチャイルド
モーリッツ・ダニエル・オッペンハイム [Public domain]

 

4.為替(現金を送る代わりに手形・証書で受け渡しをすませる方法)

テンプル騎士団が、現金携帯の旅行は危険なため為替の仕組みを作ったと言われている。

テンプル騎士団
Enrique MeseguerによるPixabayからの画像 

 

騎士団消滅後、ロスチャイルド家がこの仕組みを真似た。

対ナポレオン戦の軍資金を現物(金貨)でなく、為替で届けたのだ。

イギリス→ 敵国フランス→ スペインに無事届いたのは、紙の為替証書だったから。
そのおかげでイギリスはナポレオンを敗った。

 

5. 民衆の投資

19世紀 ヨーロッパは産業革命~鉄道建設時代に突入した。

民衆も熱狂し、富裕層から鉄道資金が集まり始めた。

サン=サーンス駅における120型タンク機関車

 

投資の大衆化だ。
バブルと破裂の繰り返し…

 

迫害、祖国滅亡という現実を受け止め、
ユダヤ人は努力を続け有益な仕組みを作った。

 

なぜユダヤから学ぶのか?

彼らが金融ノウハウと
自ら考える習慣を持ち
成功者を多く輩出した実績があるからだ!

 

<参考>

・ラビ・マービン・トケイヤー編著 「ユダヤ5000年の教え」
・石角 完爾著 「ユダヤ人の成功哲学 タルムード」
・ひろさちや+石川耕一郎著 「ユダヤ教の聖典」
・月本昭男監修 「聖地エルサレム」
・加藤 隆著 「旧約聖書」
・安倍 芳裕 「金融の仕組みは全部ロスチャイルドが作った」
・副島 隆彦著 「ロスチャイルド 200年の栄光と挫折」
・渋井 真帆 「ザ・ロスチャイルド 」