米国で「BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ)」デモが続いている。

Annalise BatistaによるPixabayからの画像 

 

繰り返される人種差別、宗教差別。
人を差別するのは悪い事だ!とわかっているのに、なぜ無くならないのか。

歴史から学ぶため、ユダヤ迫害を調べてみた。

 

ユダヤ迫害の歴史

ユダヤ教徒は紀元4世紀から20世紀に至るまで虐待された。
非常に長い期間だ。
虐待したのは主にキリスト教徒とイスラム教徒。

まずキリスト教徒から見ていこう。

きっかけは、ある意味ささいな事だった。

 

時は1世紀、ローマ帝国支配下のエルサレム

 

ローマ兵士
Joel ArfiによるPixabayからの画像

 

エルサレムの住人はユダヤ教を信仰していた。
ローマの行政官ピラトに任命され、大祭司カイアファがエルサレムの民を指導していた。

大祭司の役目はエルサレムの民と神殿を守ること。

 

ヘロデの神殿の模型(イスラエル博物館、エルサレム)
Holyland Model of Jerusalem. A model of Herod’s Temple adjacent to the Shrine of the Book exhibit at the Israel Museum, Jerusalem. パブリック・ドメイン

 

ローマの行政官で短気なピラトは、ユダヤ人が反抗すると問答無用に殺害した。
デモ行進だけで殺される危険があったのだ。

そこで大祭司カイアファはトラブルに発展しないよう特に気を遣った。

エルサレムのユダヤ人を守るため。
秩序を守るため。

 

イエスがエルサレムに現れた

神聖な祭りを邪魔をする
休むべき安息日に行動する
病人や弱者に癒しを与える

盲人を癒やすキリスト ユスターシュ・ル・シュール(17世紀)ウスタシュ・ル・スュール – Web Gallery of Art:   画像  Info about artwork パブリック・ドメイン

 

ユダヤの規律を乱し、大司祭のテリトリーに侵入する。

カイアファは当然おもしろくない。

イエスは傍若無人に活動を広げる。

神が罰を与えたと考えられていた病気を治す
死者を生き返らせせる
奇跡を行った!

人々は待ち焦がれたメシア(救世主)が現れた!とイエスに群がった。

 

大祭司カイアファはイエスを恐れ始めた

カイアファ の前に立つキリスト
Matthias Stom – http://picasaweb.google.com/lh/photo/NzGqkcNuqdnAaHyggbcCJw パブリック・ドメイン

 

大祭司カイアファはイエス達が暴動が起こすのを最も恐れた。

ユダヤの人々を守らねばいけない!
自分が大祭司である秩序を守りたい!
そのためにイエスを犠牲にしよう!

そう考えたのだろう。

 

イエスを処刑する!

イエスを逮捕した!
ユダヤ人有力者だけで裁判を行い(違法裁判だった)
乗り気でないピラトに嘆願し
磔(はりつけ)刑にした。

磔刑
Mario CesarによるPixabayからの画像 

 

死刑にしなくても、逮捕や追放で十分じゃないか?とも思う。

だが大祭司は彼なりの正義を貫いたのだろう。
加えてイエスが怖かったのだ。
イエスの影響力を恐れたからこそ、遮二無二動いたに違いない。

大祭司カイアファは「ローマからユダヤ人と神殿と秩序を守る」ために、イエスを処刑した。

 

どの社会でも改革の推進者を、保守派が妨害や排除する事がある。
正誤はともかく、現実に起こりうる事だ。

 

これがきっかけとなった。

この一つの判断から、長きに渡る虐待を引き起こしたのだ。

十字架
AmbrozによるPixabayからの画像 

 

また裏切り者のユダ犯人説もあるが、それは違うと考える。
ユダの密告がなくても、大祭司たちはイエスを捕らえただろう。

 

イエスの活動は3年半。

その後の迫害期間は1,600年。

長い!
長すぎる!

時間を数えると500倍返しだ。

なぜこれほど膨れ上がったのか?

 

〜次回に続く

 

<参考>

・ヒストリーチャンネル「イエス・キリストの生涯」
https://jp.history.com/pgm/29220/

・早稲田エクステンション2014春「ユダヤ人問題」講座より