米中の覇権争いが始まった。
かってイギリス vs ドイツは10年覇権を争った。
歴史は繰り返されるのか。
● イギリス vs ドイツ
覇権国イギリスに新興国ドイツが戦いを挑んだ。
イギリスの栄華〜
1588年 イギリスはスペインをアルマダ海戦で破り、上昇気流に乗った。
17〜18世紀 植民地拡大、産業革命でイギリスは覇権国となる
「太陽が沈まない」大英帝国も、19世紀末には陰りが見えてきた。
・石炭 → 石油へエネルギーシフトに出遅れる
・植民地をめぐる各国との紛争
・新興国ロシア、フランス、アメリカ、ドイツの台頭
・経済格差が生まれ、アメリカ移住者が増加
1899年〜 ボーア戦争が象徴的だ。
はるかに優勢のはずがスッキリ勝てなかった(-_-;
膨大な戦費
ゆらぐ威信
新興国ドイツ
同じ西ヨーロッパのドイツは経済・軍事・文化が急成長した。
GDPもイギリスに追いつかんばかりだ。
ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は密かに海軍を増強する。
* ヴィルヘルム2世
当時の主力は「決め手は海軍力!」(戦略家マハン)だ。
皇帝はイギリスに憧れ、熱愛していた。
母親がイギリス_ビクトリア女王の長女で、祖母であるビクトリア女王を敬愛していた。
だが、ドイツを世界トップにする欲望を抑えられなかった。
イギリスに知られないよう
「蛹になる前の芋虫のように慎重に〜」増強をした。
ところがヴィルヘルムは夢のような見通しに喜びを隠せなくなった。
1904年、叔父である英国王エドワード7世に話してしまう。
おっちょこちょいな皇帝‼️
敵対関係
話を聞いたイギリスは1ヶ月後、ドイツ戦争に備える計画に着手した。
「ヨーロッパの勢力均衡をキープする! 覇権国の誕生を阻止する!」方針だ。
* エドワード7世
準備が始まった。
・英仏露の三国協商で植民地問題を解決
・万一に備え、戦争準備を始める
戦艦数増、性能アップ、速度アップ、新兵器の飛行機〜
海軍の建艦競争が熾烈になる。
*イギリスの戦艦「ドレッドノート」
緊張緩和
一方で緊張緩和の努力を両国とも行った。
・1909〜1911年 建艦競争を歯止めか、ペースダウンかの協議
➡️ 不調に終わる
・1912 海軍強化縮小の見返りに植民地獲得支援を英が提案
中立の約束提案など
➡️ 合意に至らず
・1913年 建造停止のモラトリアム(一時猶予)提案
➡️ やっと受入れる(予算増額が承認されず仕方なく〜)
決着
対立して10年、トゥキディデスの罠にかかった。
1914年 第一次世界大戦勃発!
両国が望まない戦争が始まり、大陸全体が混乱に巻き込まれた。
イギリス連合軍が勝利した。
* グレートブリテン国章
1対1ならドイツが勝ったかもしれない。
第二次世界大戦では、ドイツはロンドンや多くの都市を焼き払った。
だがイギリスは勝ち組、ドイツは負け組だ。
ドイツの覇権は夢と消えた。
次回に続きます〜
<参考文献>
・グレアム・アリソン著 米中戦争前夜
・渡部昇一/本村凌二著 国家の盛衰
・北野幸伯著 クレムリン・メソッド、中国に勝つ日本の大戦略
・ピーター・ナヴァロ著 米中もし戦わば